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マラソン応援電光掲示板

マラソンをはじめスポーツ選手と応援する人の
コミュニケーションを
より活性化する新たな応援文化を作りたい。

  • ・稲垣雄紀

 私がマラソンを始めて、7〜8年になりますがほぼ毎月、日本各地のいろんな大会に出ています。大会では沿道からの友人の応援は本当に大きな力を与えてくれます。大会では靴やゼッケンにナンバー情報が記録されたチップを付けて走り、大会運営者が測定する途中の通過タイムを速報として誰もがWebで見ることができます。多くの友人が走っている大会で自分が応援に行けず家に居ても、友人が頑張っている様子をドキドキしながらWebで速報タイムを追いかけて応援しています。この応援の気持ちをメッセージにして走っている本人にリアルタイムに届けられたらなとずっと思っていました。

 2016年の東京マラソンは、私自身は毎年のように抽選で落選しましたが、多くの友人が当選して参加しました。いつもの練習後に友人とご飯を食べているときに、参加するメンバーの中でレベルの近い4人がどういった順番でフィニッシュするか予想しようという話になり大いに盛り上がりました。それならば4人の選手を盛り上げるために、途中のポイントでの4人の順位とタイム差を沿道から伝えて、他のメンバーを意識してより頑張ってもらおうと思いつきました。イメージはモータースポーツでピットからレーサーにタイムを伝えるサインボードです。

 2016年にやったのは、スマートフォンでスタート地点のタイムと通過タイムの速報をWebで見ながら計算して、その内容をホワイトボードに書き込んで沿道から走っている友人に見せることです。ホームセンターでホワイトボードを買ってきて、目立つように蛍光色のテープを周りに貼って、高く掲げられるようにカメラの一脚に取り付けました。沿道で大勢のランナーからメンバーを探しつつ、同時にスマートフォンで速報タイムを確認して友人のタイム差を計算することを全て1人で行うのは難しいと考え、自宅観戦の別の友人に速報タイムの確認と計算を依頼し、ホワイトボードに書き込む内容をメールで伝えてもらうようにお願いして、2月28日当日を迎えました。

 当日は日比谷の21km地点で15㎞通過時の情報と、築地の35km地点で30㎞通過時の情報を伝える予定でした。しかし、とても多くのランナーが目の前を通り過ぎて行く中で、沿道の私はホワイトボードを手に持って掲げながらメンバー4人を探すことに必死で、自宅で応援している友人から次々アップデートされてくるメールを手でホワイトボードに転記するのは至難の業でした。また、後から走っていた4人に聞くと文字が細い、日光に反射して読みづらかったとの残念なコメントが。でも、走っている友人も、自宅で応援していた友人も、私も共通の認識は「これはちゃんとできたら面白いかも!」でした。

 やりたいことは2つ、ひとつは「人が転記せず、自宅から選手に直接メッセージを伝えたい」、次に「晴天下でもきっちり読めるようにしたい」ということです。これができれば、タイムを伝えるだけではなく広く応援に使えると考えました。

 これらを、飲食店の店頭で使われているようなLEDを使ったデジタルサイネージに電池と通信機能を付けて外部からメールでメッセージを送ることで実現することを思いつきました。手で持って高い位置に掲げ続けることを考えると、実際試してみると重量は2kg程度が限界です。しかし、デジタルサイネージメーカに問い合わせてみると、それを実現するとなると車のバッテリーのような電池が必要で20~30kgくらいになるとの回答でした。

 LED以外の何か代替案がないかと考えていたところ、電子書籍デバイスなどで使われているE-ink(電子ペーパー)が省電力で使えるのではないかとのアドバイスを受けました。ただ、当初は電子ペーパーの太陽光下での視認性に半信半疑でした。そこで、E-inkを搭載した既存の電子書籍デバイスに大きな文字や数字を表示させてみました。実際のフィールドで、走りながら端末をぱっと見せて、表示した文字が読み取れるかどうかを週末にランナーの友人と試したところ、予想以上に視認性がよいことが確認できました。

 E-inkは軽量ですし、電力の問題も解消される可能性が大きいです。持ち運びできる掲示板には非常に優位な技術です。しかし、応援者とランナーの位置関係を考えたときに、必要とされる大きなサイズのE-inkのディスプレイは、世の中にあまり出回っておらず、非常に高価であるため残念ながらE-inkのディスプレイでの試作は断念せざると得ませんでした。

 その後なんとかして実現できる方法がないか引き続き探っていたところ、2016年の秋に、たまたまインターネット上で5Vで動作するLEDのパネルが売られていることを知ったのです。いろいろ詳細を調べてみると、もしかしたらこのパネルを用いていけるかもと思い、早速試しにLEDパネルと制御用コントローラーを1台買ってみました。全角2文字しか表示できない小さなボードでしたが、初めて電源を入れて文字を光らせた感想は、思っていた以上に明るく、これは沿道でもかなり目立つなといった印象でした。そして文字を表示させる分には、常にすべてのLEDが光っているわけではないので、全然電池を消費しない。これなら、屋外で数時間、マラソン大会が始まってから終わるまでくらいの時間であれば使えるといういい感触を得ました。

 最初のテストは、2016年12月の福岡国際マラソンです。参加する多くの友人のゼッケン番号と名前を事前に固定的に設定して横にスクロールさせて表示しました。当日はまさかの雨で、急遽、ビニール袋を用意してビニール袋の中に入れて使いました。沿道の数か所で応援してテレビ中継の片隅にチラッと映りましたが、サイズが小さかったので知っている人しか気づかないレベルでした。友人の選手のみなさんからの反応は、かなり目立つから、そこに私が居ることはわかるけど、画面が小さすぎてとても文字は読めない。でも、画面大きかったらおもしろいと思う。とか、○○さんとのタイム差を教えて欲しかったな。などの、前向きなコメントをいただきました。
ここで、2017年の東京マラソンで、元々やりたかったことを本気で実現してみようと火が付きました。

 それからは、会社から帰ると開発の日々です。大学の専攻は航空宇宙系の私は、電子工作などやったこともなく、プログラミングも大学の時に多少C言語をかじったくらいの知識でしたが、実現したいという想いが自分を突き動かし、独学で勉強しつつ、マイコンを使ってLEDに簡単な文字を表示するところから、複数LEDパネルの連携、サーバ上から表示する情報を取ってきて更新する機能、離れたところからWebブラウザで表示するタイムやメッセージを入力する機能、など、幅広く知識・スキルを吸収して1歩1歩製作を進めて行きました。正月に実家に帰省する際もノートPCを持って帰って、ずっとマイコンのプログラムの開発をしていました、帰省から帰ってくる新幹線の中でもプログラムの開発をしていました。実家の両親には、私が何をしているのかさっぱりわからなかったようです。

 そして、ようやく全体の形ができてきた2月からは、実際に屋外で何人ものランナーの友人に見せながら、レース中にどんな形式で情報を表示して欲しいか、スクロールのスピードや、LEDの明るさはどれくらいが見やすいか、太陽光が当たる状態での視認性はどうかなど、数回のテストを経て、信号機を参考に太陽光を防ぐ庇を付けたり、表示方法の調整を重ねました。また、当日自宅で、途中経過の速報タイムを見て、メンバーのタイムのデータを入力してくれる別の友人とはビデオチャットで離れたところにあるこの電光掲示板の映像を見せながら入力方法の確認や、どのように反映されるかイメージをつかんでもらい、準備を整えて2月26日、2017東京マラソンの当日を迎えました。

 朝8時40分新宿5丁目1.9km地点、まだ選手が通り過ぎる前から、沿道のボランティアスタッフ、警備の警察官からも「何これ何これ?」といろいろ質問され、通り過ぎる人からはなんだろうと覗き込まれ、反応は上々でした。
 浜町11.8km地点、森下22.8km地点、近づいてくるメンバーを見つけて声をかけ、昨年とは異なり自分が一切タイムを入力することなく、他のメンバーとのタイム差をきっちり伝えて、私に向かって理解したと「OK」のサインを出してうなずいてくれたとき、「よし、やりたかったことがついにできた!」という満足感が体の中を駆け巡りました。
御成門39km地点、タイムを伝えるべきメンバーが全てとおり過ぎた後は、それ以降のランナーに向けて「みんながんばれ!」といったメッセージを表示させ、目の前を通り過ぎる全てのランナーの応援をしました。多くのランナーが、この電光掲示板に気づいて、指を挿して「すげー!」と言ってくれたり、メッセージを読んで「よし!」と気合を入れなおしてくれたり、私や一緒に応援していた友人と何千、何万人のランナーとの間でこれまでにないコミュニケーションを取ることができました。ランナー以外の多くの人にも印象に残っていたようで、素晴らしいタイムで完走した友人達と打ち上げに行った店では、店のスタッフさんに「あっ、これ見ましたよ。御成門のところに居ましたよね。」と声をかけていただきました。

 そして、沿道を埋め尽くす応援者が居る中で相当目立っていたのか、応援中には何件かTVや雑誌の取材を受けて、翌日の朝のTVの情報番組では20秒ほどこの電光掲示板を取り上げていただきました。実家の両親はTVを見て初めて息子が何を作っていたか理解したようです。

 今後の課題は製品化のための屋外での利用に耐えうる頑丈な作りこみと、デバイスのコストになると考えています。これをどう乗り越えていくかが技術面、ビジネス面でのテーマです。

 利用シーンはマラソンだけではありません。子供のサッカーの試合に仕事で応援に行けないお父さん、自分たちの代表として全国大会に出場するチームメイトなど、さまざまなスポーツで離れていてもリアルタイムに応援したい、応援されたいシーンがあると考えています。スポーツ用品企業やスポーツイベント運営団体、スポーツ支援団体、などと協業して、あらゆるスポーツにおいて、コミュニケーションの力で選手を後押しし、選手の競技のパフォーマンスを向上させて、選手、応援者ともにより大きな感動を得られるようにすること、それが私がこの電光掲示板でが実現したい姿です。

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